【理系高校生必見】就職を見据えた学部・学科選び

こんにちは。名古屋工業大学大学院の電気機械工学科に在籍しています、よってぃーです。

今回は理系高校生向けの大学の学部学科選びのススメ。ぜひご覧いただけると幸いです。

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理系も学部選びで悩む

理系といえば工学部一択、という人も結構いるのではないでしょうか。特に就職を見据えるのであれば、工学部に行くのがよさそう、という考えに至る人は多いと思います。実際その通りだと思っています。

とはいえ、理系学部というのは工学部だけではありません。少し深堀してみます。

エンジニアになるなら工学部

工学部在籍の私が言います。エンジニアになりたいなら工学部に行ったほうがいい。なぜかといえば学科の選択肢にある。
後述の理学部と工学部の大きな違いは、実践力をどれくらい問われるかという点。

機械工学科はその名前が示すように、機械全般に強そうなイメージがあると思います。そのほかにも、建築科や土木科などの具体的なイメージが掴めるものや、化学生命科といったケミカルに強そうな学科まで、実践的に思える学部が多いと感じるはず。

工学部というのは、現場で使える技術を身につけるところです。

教員/研究者を目指すなら理学部

一方で理学部というのはどうでしょうか。よく”就職無理学部”なんて揶揄されることもありますが、そこまで悲観することはありません。理学部のほうが強い面もいっぱいあります。

理学部の学科選択は、数学科や物理科など、高校までの科目と同一の学科が多いはず。工学部に比べてやっている内容は掴みやすいのではないでしょうか。実際やってる内容は学科名の示す通り。簡単に言えば、学問を追求するのが理学部です。

教員になるのになぜ理学部がいいのか、教育学部ではダメなのか、という話を少しだけ。学校の先生を目指すなら教育学部、というのは定説。ですが、高校の教師になりたいのなら理学部も良い選択だと思います。というのも、理系科目の高校教師に求められるレベルというのは、大学レベルまでの学問を理解した上で高校生に必要な範囲をわかりやすく教えるということ。そうすると、大学で必然的にワンランク上の学問を学んでおく必要があります。その上で教職と呼ばれるカリキュラムを別で取得することで教員を目指す、というのが化学や物理の高校教師には多い傾向です。私の高校時代の化学の先生もそのパターンでした。

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エンジニアになりたい!でもどの学科にしよう?

さて、工学部と理学部の違いはご理解いただけたでしょうか。ここからは、エンジニアになりたい!という人に向けてお話しを続けます。

さて、「工学部に入りたい」と思ったあなた。次に迷うのは学科選びです。例として、私の通っている名古屋工業大学の学科をみてみましょう。

  • 生命・応用化学科
  • 物理工学科
  • 電気・機械工学科
  • 情報工学科
  • 社会工学科

この5学科が名古屋工業大学にあります。私が在籍していたのは電気・機械工学科。2年生で専攻が分かれるので、機械専攻という形になります。(大学院は”工学科”から”専攻”に名称が変わります)

さて、そんな中で学科選びのお時間です。皆さんの目指すエンジニアとは、どのようなエンジニアなのでしょうか。

“エンジニア”と一言で言っても色々なエンジニアがいます。プログラミングを駆使してコードを書くのもエンジニアですし、機械を設計するのもエンジニア。新材料を作り出すのもエンジニアですし、橋を作るための設計をするのもエンジニアです。皆さんはどんなエンジニアになりたいですか?

各学科でどのようなエンジニアになれるのかは、なんとなく学科名から理解してもらえると幸いだ。コードを書きたいなら情報工学科、もしくは電気電子工学科。機械設計は基本的に機械科(例外もあります)。材料に関わりたいなら化学系や物理工学系が専門分野として強い。ロボットなんかは結構跨っているけど、機械科がまだ強い印象。

なんとなく学科とその先がイメージ出来たところで、次は”就職”という切り口から考えてみる。

機械科は就職の花形

とんでもない見出しだが、機械科の学生はよく耳にする言葉ではないだろうか。私は実際に大学一年の頃から幾度となく耳にしてきた。花形、つまりは1番華やかといったところだが、機械科がなぜ華やかと言われるのか。理由は単純で、”メーカーへの就職が多いから”。

機械科の就職先の多くは、愛知県内であれば各自動車メーカーやその関連企業、もしくは製品を実際に世に送り出すメーカーが多い。メーカーというのは企業CMをバンバン打ち出しているため、世間一般によく知られた企業が多いわけだ。みんなが知っている会社に就職というと、たしかに花形と言われるのも納得である。

なぜ機械科はメーカーへの就職に強いのか。根本的な理由はカリキュラムにある。機械科では機械製図を通して図面を書くためのいろはを勉強することになるし、”ヨンリキ”と呼ばれる流体、熱、機械、材料について全て学習をする。このヨンリキというのは、工学をやる上では非常に重要なツールで、高校までの物理化学が進化したものだと考えてもらえればいいだろう。工学部の他の学科に比べて、非常にありとあらゆることを学ばせるというのが機械科の特徴。逆に深堀は少し弱い。ただし、企業に入るときの基礎力という面で、たくさんのことを学んでいる学科だというのが評価されている。

機械科が花形たる所以はわかって頂けただろうか。実際機械科の人気は高く、各大学で学科別偏差値を見ると概ね機械科が1番高いだろう。

機械科以外はダメなのか?そんなことはないぞ

ただ、他学科の就職だって弱いわけじゃない。少なくとも私の通う大学では、機械科でなくてもメーカーへ就職する人はたくさんいる。機械科から就職しにくいメーカーだってあるわけで、例えば化学繊維系統のメーカーは機械科になかなか興味を示さない。
日常で目にするメーカーは工業製品ばかりだから、どうしても機械のイメージは強いものの、化学技術はそれらの機械を根底から支えている。

鉄鋼会社や先で触れた化学系統のメーカー、もしくはガチガチのIT系統の会社では機械科であることがなにも喜ばしくない。特にITでは”ヨンリキ”とは無縁のプログラミングの技術のほうが大きい。

これからの花形は機械科ではなくなる

ここまでは機械科に対してフォーカスしながらみてきた。ただ、私はこれから10年、20年と進むにつれて機械科は就職の花形が少し外れていくと思っている。

今後は情報工学科が花形になる可能性が高い

情報工学科というのは、先ほど話にも上げたプログラミングをメインにする学科。このプログラミングというのは非常に優れたツールで、情報処理の根幹を担っているモノになる。特に情報工学科では画像処理などの信号解析技術も行うため、通信事業方面にも強くなる。

今後、5Gの普及とともによりインターネットの発達が顕著になる時代がくる。その時代において、通信関係のインフラとそれに付随する技術というのはかなり重宝される。今までは物理的に形のあるモノに価値が置かれてきたが、今後はデジタルで実体がないモノに大きな価値がつく時代になる。まして、機械すらも今やコンピュータが制御する時代である。機械の象徴的存在とも言える自動車でさえ、コンピュータがなければ今やエンジンすらもかからない。そんな時代だからこそ、今後の強みは”ヨンリキ”ではなくプログラミング技術へと移ろいでいくに違いない。

しかしながら、人間の生活にはモノが絶対に必要なわけで、製造という面では機械科もまだまだ現役だ。ただ、今後IoTが進んで行ったり、通信技術や通信環境の整備が進んで行ったりすると、製造面や素材面、設計面での機械科の価値と、それを制御するための知識に長けた情報工学科の価値は横並び、もしくは差が生まれる可能性は極めて高い。

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改めて、どうしたい?

さて、ここまで長々と語ってきた。ここまで読んだ皆さんは、どのような選択を取るだろうか。

人生は一度きり、そして大学生活も(大体の人は)一度きりです。入ってから学科で後悔する人もたくさんいます。今、時間のあるうちにたくさん悩んで、色々な人に相談してみてください。楽しい大学生活が待っていることを心より願っています。

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