オデッセイが2021年内で生産終了。ミニバン市場はこれからどうなる?

また気になるニュースが出てきました。

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 ホンダのフラッグシップセダン「レジェンド」、PHEV&FCVの「クラリティ」、高級ミニバンの「オデッセイ」が2021年…

オデッセイを含む3車種が年内を持って生産終了。以前の記事でも触れた通り、最近のホンダの動向は少し気になるポイントも多い。クラリティもレジェンドも、ホンダの中ではあまり売れ筋車種ではない。だがオデッセイといえば、ホンダの看板車種といってもいいくらいの知名度がある。

この記事では、オデッセイの生産の終了に伴う影響と、今後のミニバン市場の動向について考察したい。

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ホンダ・オデッセイとは

まずは生産終了してしまうオデッセイについて少し触れておく。

初代オデッセイのデビューは1994年。ミニバンとしては低い全高に、四輪ダブルウィッシュボーンサスペンションが奢られたパッケージングが、当時のミニバン市場に対して大きなインパクトを与え、大ヒットを記録。累計登録台数は43万台越え(Wikipedia情報)。

その後、1999年に同一のコンセプトを踏襲した二代目へとモデルチェンジを果たす。累計登録台数は27万台ちょっと。

そして2003年に3代目へとモデルチェンジ。低床・低重心ミニバンのキャッチコピーは、聞き覚えのある人も多いのでは?
この頃のホンダのミニバンは、低床・低重心を謳っており、スポーツカーのホンダのイメージを際立たせていた。
この型のオデッセイといえば、今でもまだ見かけるほどたくさん走っており、販売面でも二代目に肉薄するほど売れている。特にアブソルートはスポーツミニバンの地位を確立したと言えるだろう。

そして惜しまれつつも2008年に4代目へとモデルチェンジ。ここからオデッセイが販売面で苦戦する。パッケージングとしては三代目と同じく低い全高で、機械式立体駐車場にも入庫可能。だが、スライドドアでない車はミニバンではない、というイメージがついてしまったのか、ステーションワゴン的存在へと変化してしまったオデッセイは、2013年に5代目へとバトンタッチするまでに7万台程度しか販売されなかった。

2013年末、オデッセイは現行モデルである5代目へとモデルチェンジする。この型では、オデッセイのアイデンティティとも言える非スライドドアを廃止し、モデル初のスライドドア搭載モデルへと変化した。

ミニバン市場の変遷-4代目オデッセイはなぜ苦労を強いられたか-

3代目まで好調な売れ行きだったオデッセイ。なぜ4代目から販売で苦戦し始めたのか。

自動車の年間販売台数を調べられるサイトがある。ソニー損保が運営するこちらのサイトだ。このサイトのデータをもとにオデッセイの販売台数をグラフ化すると以下のようになる。

サイトでは年間トップ30に入っていない場合データなしとなるが、2007年はデータなし。つまり、トップ30から陥落したわけだ。2008年は3代目から4代目へのバトンタッチの影響もあり販売台数を回復したが、その後再びトップ30から陥落している。ここに一台の車を追加してみよう。

同じくホンダから販売されているフリード。スライドドアかつ5ナンバーサイズの取り回しの良さが人気を博している。フリードの販売が始まったのが2008年なので単純に比較するのはよくないかもしれないが、フリードが登場したタイミングも考えると、2008年あたりが明らかにミニバン市場のターニングポイントだと言えるだろう。

市場のニーズが、スライドドアかつハイルーフの車を求めていることがわかるだろう。オデッセイが四代目から苦戦した理由はここにある。

ミニバン選びは”利便性に全振り”の時代へ

スライドドアミニバンの台頭でオデッセイの販売が苦戦したということは理解いただけただろうか。ここからは今後のミニバン市場の動向について考察していきたい。

この章の見出しにあるように、ミニバン選びは利便性に全振りする時代へと変貌している。そもそもオデッセイが市場で成功した背景には、走りの良さを押し出したホンダのパッケージングが現れている。しかし、ミニバンに走りを求める時代は終わってしまった。世間がミニバンに求める性能は、車として、移動手段としての利便性のみになってしまった。

ミニバンに利便性を求める風潮が高まった背景には、トヨタ・アルファードの存在が大きいと考えている。それまでのミニバンは、大人数で移動するために大きな車体にシートがいっぱいついている車、という位置付けが大きかった。三列目は少し窮屈で、乗り心地も少し難がある。故に、高級車といえばセダンタイプの車が主流だった。それがアルファードの登場により大きく変化する。大きいボディに上質なシートで、乗員みんなが快適に移動できるように作られた初めてのミニバンと言えるだろう。それまでミニバン市場をリードしていた日産・エルグランドに対し、トヨタはアルファードによってシェアを一気にひっくり返した。アルファードの大ヒットを受けてか、エルグランドもモデルチェンジで高級志向の強い車になり、ビッグサイズミニバンの高級車化が進んできた。

その後のアルファードの快進撃は語るまでもない。ミニバン=快適な車のイメージはここから始まったといえる。

今のミニバンは、多彩なシートアレンジや高い室内高を全面的に宣伝している。装備もどんどん豪華になり、リアシート用に天井モニターがついたり、リアもオートエアコンがついていたり、車の後部座席の居住性ではもはやミニバンに敵うモノはない。セダンと違ってリアシートが独立しているため、リクライニングも自由に行え、2列目ならシートのスライドすらも可能に。オットマンつきのシートだって珍しくない。

一方で小さいミニバン(少し変な日本語だが)も独自に進化してきた。先ほど挙げたホンダ・フリードやトヨタ・シエンタなどのスモールサイズミニバンの市場もかなり大きい。こちらはビッグサイズミニバンとは異なり、高級感よりも庶民派を重視したパッケージングが多い。だが、利便性を非常に考えた車であることは間違いない。特に、シエンタの3列目が2列目下に格納されるギミックは、車内空間を効率的に利用するための非常によく考えられた機構だ。このサイズの車は、3列目の快適度は低いものの、二列目までの居住性は高くできており、さすがミニバンといったところ。

これだけ様々な機能で至れり尽くせりな車はもはやミニバンのみである。だからこそ、ミニバン選びは”利便性に全振り”なのである。今後のミニバン市場がどんな方向に進化するのか、どんな機能を持ったミニバンが登場するのか、これからも目が離せない。

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