インターネット上の顔出しに関する変遷

こんにちは。6月に入って毎日ブログ更新ができているよってぃーです。なるべく続けられるように頑張っていきたいですね。
さて、今回はインターネット文化に関するお話。ツイッターでこのような呟きを見つけました。

このツイートがバズっており、見かけたときに「たしかになぁ」と思ったので少し触れたいと思います。

スポンサーリンク

インターネット文化の変遷

ネット文化が一般向けに始まったのは1990年代あたりから。2ちゃんねる(現:5ちゃんねる)が開設されたのが1999年。
その後2000年代に入り個人ブログ/HPなどが流行り出し、2005年にはYoutubeが設立。ニコニコ動画はその翌年ですね。

私は1998年生まれで、インターネットにちゃんと触れたのは2004年くらいだったと記憶しています。自分の意思でしっかり使い出したのが2006年かな?ちょうどYoutubeが流行り始めて、おもしろFLASH倉庫の動画が転載されていた時代だったと思います。当時小学生だった私ですが、学校では「千葉!滋賀!佐賀!」とか、「タラちゃんがデスノートを拾ったようです」とかが流行った記憶があります。私はちょうどネット掲示板に入り浸っていました。おいでよどうぶつの森のファンサイト、マジで1分とかでたくさん書き込みがあった楽しかった。

さて、表題にあるインターネットにおける顔出しですが、私自身も先のツイートの方と同様に「ネットにおける顔出しは危ない」と教わっていました。というか、教わる以前に感覚的に理解していた感じです。2000年代における日本のインターネットは顔出し無し、全て完全匿名の異質な空間だったように思います。電車男とかまさしくそのイメージ。
その頃から顔出ししていた人というのは、インターネットを利用したビジネスであったり、メディアのライターさんだったり、仕事の主戦場がインターネットにあった人だと思います。日本人は特に匿名を好む国民性が強く、マスク文化もあったように顔を隠したがる文化も色濃く出ていた時代ではないでしょうか。

一方で国外のインターネットはどうだったのでしょうか。私も詳しくは知らないですが、Youtubeの1番最初の動画「Me at the Zoo」は普通に顔出しで出ていますね。ちなみに出ているのはYouTube創業者のジョード・カリム。2010年頃のインターネットは、なんとなく海外のフォーラムは実名で顔出しをして投稿するのが一般的だったように思います。日本人のハンドルネーム文化を珍しがっていた記事を見た覚えもあります。逆に日本の掲示板では、外国のYoutube動画で平然と顔出ししていることに驚いていた書き込みも散見されました。

日本において実名でのインターネット、顔出しでのインターネットが大衆化したのはmixiの台頭とFaceBookの台頭が起因していると考えています。

mixiとFacebookの台頭

mixiといえば2000年代後半あたりに日本で急速に普及したSNS。現在ではだいぶ廃れてしまったイメージがありますが、紹介制でしか登録できないシステムなど、少し前に流行ったclubhouseに近いものを感じます。mixiが台頭していた頃はまだ15歳未満で登録もしていなかったのですが、親父が使用していたのを傍目に見ていたのをよく覚えています。マイミクさんの投稿に几帳面に全部いいねしていました。私のツイッターのふぁぼと同じです。さすが親子。
その時に少し驚いたのが、親父も含め意外と顔写真を載せている人が多いこと。全ユーザーの中で顔写真を出していた割合はわかりませんが、ネットコミュニケーション文化に触れてきた身としては結構びっくりした覚えがあります。まだ当時はハンドルネームは使われていましたね。

その後日本では2010年頃にFacebookが大きくフィーチャーされました。本名登録でないと利用できないサービスということで、物珍しさとその異質さから結構ニュースなどで取り上げられていたような気がします。まだ名前を出すということに抵抗を感じる人が多かったのか、日本でFacebookのアカウントを持っていた人はまだ少なかった印象です。
そして2010年といえばYoutuberが少しずつ台頭する時期ですね。現在のトップYoutuberのHIKAKINさんや私の大好きな瀬戸弘司さん、カズさんなどがYoutubeをスタートされたのがちょうどこの時期。そしてTwitterが大きく流行り始めたのもこの時期です。

2010年付近が分岐点

私の中では、2010年付近を境にネット文化の常識が少しずつ変化していったような気がします。というのも、スマートフォンの普及も相まってインターネットというものに対するハードルがそれまでよりグッと下がったように思えます。そしてSNSサービスの更なる普及で、インターネットに触れられるユーザーが爆発的に増加した時代です。

先ほど触れたTwitterもそうですし、ニコニコ動画もいわゆるボカロ全盛期を迎え始めていた時期が2010年前後。ニコニコ生放送が個人の生配信のハードルを大きく下げ、誰もが簡単に発信者へと転向できる環境が整ってきました。
ニコニコ生放送のカテゴリーに顔出し放送というのがありますが、これはネットにおける顔出し文化に非常に大きな意味があると思います。というのも、全員が全員顔出し配信をしていたら顔出し配信のカテゴリーなんて必要ありません。つまり、このカテゴリーの存在こそインターネットにおける顔出しの特異性を現しているでしょう。

その後Youtuberという存在が認知されるようになり始め、はじめしゃちょーさんやマックスむらいさんなどのYoutuberの活動が活発になるにつれて、ネットにおける顔出しの価値観が大きく変化したように思います。特に先ほど話題に上げたスマートフォンの普及により、それまでのネット文化を知らない世代が新たにインターネットに参入し、大きく常識が曲げられたと言って過言ではないでしょう。以前のネットは、画面の向こうの人がどんな人かも分からない、まるで暗闇の中で会話をしている状態が強かったように見受けられますが、YoutubeやSNS、ブログの発展により発信者の情報を受け手が見る機会が増え、その結果受け手自身も自分の情報を発信する文化が自然と生まれました。

スポンサーリンク

文化や考え方は変化していくモノ

この記事の元になっているツイートをみて、改めて文化や考え方は移ろいゆくものなのだなと考えるきっかりになりました。
ツイート内で触れられているネットでの顔出しに対する世代の常識と我々のような20代の常識が違うこともそうですが、かつて常識とされた終身雇用が現在では破綻してきており、若い世代は終身雇用を信じていないことが多いですよね。そういった昔の常識が、時が経つにしたがって通用しない時代が来ている、それがとうとうネット文化にも反映されるようになったのではないでしょうか。

私自身はYoutubeチャンネルで顔出ししていますが、最初は顔出しをする予定ではありませんでした。件のツイートの方と同じで、ネットで顔出しをするリスクを教え込まれていたからです。それがなぜ顔出しする方針に至ったのかと言えば、まさしく考え方が少しずつ変化していったのです。Youtubeというメディアで情報を発信するとなったときに、顔出しYoutuberが多い時代に顔出しなしでやって行くのは難しいなと感じたのです。

文化は変わってもリスクは変わらない。むしろ増えている。

ここまで長々と顔出し文化について述べてきました。ここまで読んでいただいた方は薄々気が付いていると思いますが、たとえ文化が変化したとしても顔出しをするリスクは変わらないです。むしろ昔以上に増えていると思います。

ネットで実名や顔を出すなと言われる1番の理由は、不特定多数に自分の情報を晒してしまう行為になるから。先も言ったように、2010年あたりから一気にインターネットを利用するユーザーは増えました。つまり、昔言われていた以上に不特定多数が本当に多数になっているわけです。
そんな時代になってしまったにも関わらず、SNSを利用する学生は結構友達との写真をアップロードしていることが多いです。これを異質と思うのか普通と思うのか、世代や価値観によって見方は全然違うと思います。私はまだ少し異質に思ってしまいます。特に学生ほど実名でSNSをやっているイメージが強いです。鍵垢という便利なシステムがありますが、そのシステムすらも我々のように長くネットに触れていた身からすると脆弱なシステムでしかないわけで。

一方で、昔と違って顔出しする人が増えたために顔出しそのもののインパクトは少なくなった気もします。かつては顔出ししているだけで良くも悪くも結構目立っていました。それが現代ではみんなが顔を隠さずにSNSに写真をあげ、動画を撮っているので、以前のように浮いてしまうことは少ないのでしょうね。有象無象の中に自分の情報が埋没してしまうことで、リスクが少し麻痺しているのかも。

スポンサーリンク

最後に:インターネットには色々な人がいる

画面の向こうの人は、所詮カメラの向こうの人。

さて、長々とお話ししてまいりましたがいかがでしたでしょうか。
この記事を読んでいる学生の皆さんや、お子様がいらっしゃる方々の考え方に少しの補助ができたら幸いです。
顔出しをしてはいけない、というわけではありませんが、自分自身の情報をインターネットに出すというのはリスクがついて回ります。それは誕生日や年齢など、一見するとなにも特定できないような情報であっても、そのほか色々なものと組み合わせることで特定されてしまいます。Googleストリートビューで世界中のどこの景色すらも調べられる時代です。貴方自身の存在は地球上70億分の1ですが、そのちっぽけな存在がたくさん集まっているのが世界です。インターネットのおかげで、その70億の人と自宅で、外出先で、どこでも繋がれる素晴らしい時代です。みなさまのネットライフが、これからも楽しいものでありますように!

スポンサーリンク
最新情報をチェックしよう!