ホンダがパワートレーンユニット製造部を終了。今後の動向は?

衝撃のニュースを見つけてしまいました。まさかのホンダが「パワートレーンユニット製造部」を2025年に廃止するというもの。ソースは以下に。

https://news.yahoo.co.jp/articles/666b2f1b609ff8df87b66730e40f88da0b122676

“エンジン屋のホンダ”と言われてきたメーカーが、まさかの決断である。今回はこのニュースについて迫っていこう。

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パワートレーン製造部とは?

パワートレーンという言葉は、自動車産業に詳しい人ならよく耳にする言葉かと思う。車は駆動系を支えるパワートレーンと、その上に乗っかるボディに大別されて設計/開発が行われる。
その中でパワートレーンと呼ばれるのは、エンジンからトランスミッションへと、動力の発生と伝達を担う部分のこと。車の”走る”という機能を根底から支えている。ホームページを参照してみると、エンジンバルブやクランクシャフトなどのエンジン部品やミッションのギア、ドライブシャフトなどを製造しているようだ。

そもそもエンジンをやめるわけではない

このニュース、見出しだけだと少し誤解しがちだが別にエンジン車をやめるわけでもなければ、エンジンそのものをやめるわけでもない。今回やめるのは栃木県真岡市にあるパワートレーンユニット製造部での生産だけである。

そもそも自動車メーカーというのは世界中で車を販売しているため、世界中のあらゆる場所に生産拠点を持っている。ホンダも例外ではない。現地で販売する車はなるべく現地で作る、自動車メーカーの鉄則である。その結果部品の現地調達が進んだために、生産体制の見直しが必要になったようだ。

ホンダはこれからどうなるのか

ここ数年のホンダといえば、軽自動車のNシリーズが絶好調のイメージだ。先日もN-BOXシリーズの累計販売台数が200万台を突破したことが報じられていた。しかし、軽自動車のNシリーズの利益率はあまりよくなく、昨年新しくなったFITもトヨタのヤリスに大苦戦を強いられている。90年台のシビック/インテグラのイメージから車好きの間ではスポーツカーのホンダといったイメージが残っているものの、最近はあまり目立つスポーツカーを出しているイメージは少し薄い。

スポーツカーのホンダといえば、S2000やNSXなどの後輪駆動マシンや、シビック/インテグラのFFマシンと、コンパクトサイズからスーパーカーまで手広く、高性能なマシンを提供してくれていた。現在もS660、シビックTYPER、NSXとスポーツカーのラインナップは残っているが、2022年にS660が生産終了になる(受注は既に終わっている)など、スポーツカーメーカーの面影は少し薄れつつある。シビックTYPERも名前は残りつづけているが、かつての軽量コンパクトで高回転まで回るエンジンもやめ、ハイパワーのFFへと変化してしまった。シビックという名前はあるが、イメージとは違うと感じる方も多いのではないだろうか。ホンダのスポーツカーは、生産こそ続いているものの、モータースポーツから少し遠ざかってしまった。

一方で、エンジン屋のホンダの看板は少しずつ変化しつつある。最近では電動化に非常に力を入れており、ホンダeの発売や、e:HEVの積極的導入など、純粋なエンジン車からのシフトが感じられる。もちろん、他メーカーもハイブリッドの導入はかなり進んでおり、今後の排ガス規制などの法規制に対応するための動きとしては納得できる。ホンダの動向はトヨタと日産の中間に近く、クラリティでPHEVとFCVを展開することで、今後の主流となるパワートレーンがどれになっても対応できるような状況を作り上げている。

1970年代にマスキー法に対応すべくCVCCエンジンを開発したホンダである。再び大変革期を迎える自動車業界に、パワートレーンから技術革新をもたらしてくれるに違いない。

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販売面での苦戦

先ほども述べていたが、最近のホンダといえばNシリーズの好調な売れ行きに目が行きがちである。一方で普通車の販売では非常に苦戦しており、メーカー内での販売台数にギャップが多すぎることが問題に挙げられる。もとより数が多く出ることを想定していない車(シビックTYPERなど)はともかく、FITやステップワゴンなどの普通車の中でも売れ筋になる車が苦戦するというのは非常にまずい。売れている車はメーカーにとって利益を生み出すドル箱であり、次期型も当然大規模な開発費を投じられる。逆に売れていない車は、次期型の開発費が削られた挙句、最悪の場合モデル自体がなくなってしまう可能性がある。2000年代以降の日本のメーカーの特徴として、車種一台一台の息が長いことが挙げられる。この件についてはまた別の記事で触れたいと思うが、その中でホンダは少し異質で、同一車名の息は長いが、モデルごとにキャラクターが大きく変化してしまっている。特にわかりやすい例はオデッセイだろうか。初代オデッセイから3代目までは非常に好調だったものの、その後4代目から苦戦を強いられた挙句、現行モデルの5代目ではスライドドアが導入された。先ほど触れたシビックも同様にコンパクトハッチから大きいセダンへと変貌を遂げ、かつてのシビックの面影を少し損なうことになった。

車のキャラクターの大幅な変化が、現在のホンダの苦戦につながっていると考えている。同一車名であるにも関わらず、ターゲット層が大きく変化することが起きてしまうため、車種に対する固定ファンがつきにくくなっている。逆に、新規モデルとして出てきたヴェゼルや、車種のイメージを固定していたステップワゴン、ストリーム(生産終了済)などは安定した売れ行きだった。車種のキャラクターを変えるということは、販売面に対して良い面を生み出す可能性もある一方で、悪い面を生み出してしまうこともある。90年代の日産も、S13シルビアの成功後にサイズアップしたS14シルビアで苦戦を強いられ、S15シルビアでは再び小型化している。

フィットやシビック、アコードなど歴史のある車は多いため、車種のイメージをキープした車作りをしたほうが、固定層の取り込みで成功するのではないだろうか。
今後のホンダに期待したいところである。

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